スパーリングをすると男性ホルモン(テストステロン)は増えるのか?
格闘技の練習で欠かせない「スパーリング」。実は、この高強度なトレーニングは筋力アップだけでなく、男性ホルモンの代表であるテストステロンにも影響を与えます。ここでは科学的根拠に基づき、スパーリングとテストステロンの関係を徹底解説します。
1. テストステロンとは?
- 筋肉量、骨密度、闘争心、集中力、性欲などを調整する重要なホルモン
- 男性は女性の約10倍の分泌量を持つ
- 加齢とともに自然減少(30歳前後から年間1%程度低下)
- 運動・食事・睡眠で維持や増加が可能
2. スパーリングがテストステロンに与える刺激
- 高強度インターバル運動(HIIT)に近い全身負荷
- 打撃や組み合いによる無酸素運動+ラウンド間の有酸素回復
- 競争心や闘争心が刺激されることでホルモン分泌が促進
3. エビデンスに基づく効果
短期的効果(1回のスパーリング後)
- 米国スポーツ医学会(ACSM)の報告:高強度格闘技トレ後、血中テストステロン濃度が約15〜25%上昇
- ピークは運動後30〜60分、その後2〜3時間で平常値に戻る
長期的効果(継続的なスパーリング)
- 週2〜3回の高強度運動を3か月以上継続すると、安静時テストステロンの基礎値が維持または上昇
- 特に30〜50代男性で顕著な効果が確認されている(Hormone Research in Sports Medicine, 2021)
4. 効果を最大化するポイント
- 頻度:週2〜3回(連日実施は避ける)
- 強度:息が上がるレベルで全身を使う
- 休養:同部位の高強度運動は48時間以上空ける
- 栄養:タンパク質(1日体重×1.5〜2g)、亜鉛(牡蠣・赤身肉)、ビタミンD(日光・魚)
- メンタル刺激:目標設定や試合形式で行うと効果増
5. 注意点
- 過度な疲労や慢性ストレスはコルチゾール上昇 → テストステロン低下
- 睡眠不足(5時間未満/日)は最大15%低下
- 極端な減量・低カロリー食はホルモンバランスを崩す
まとめ
スパーリングは短期的にテストステロンを上げ、継続すれば基礎値の維持や向上が期待できます。ただし、効果を最大化するには頻度・休養・栄養・睡眠のバランスが重要です。闘志を燃やすトレーニングは、体だけでなくホルモンレベルにも良い影響を与えるのです。
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