ランニングで脳が変わる理由|健康運動指導士が教える“走ると頭が良くなる”科学
「走ると頭がスッキリする」「悩みが整理される気がする」──
そんな感覚、ありませんか?
実はそれ、気のせいではありません。 最新の神経科学では、ランニングによって脳そのものが物理的・機能的に変化することが証明されています。 ここでは健康運動指導士の立場から、ランニングが脳を変えるメカニズムをわかりやすく解説します。
1. 脳が“若返る”|海馬(記憶を司る部位)が成長する
ランニングなどの有酸素運動を続けると、脳の「海馬(かいば)」と呼ばれる部位が大きくなることがわかっています。 海馬は記憶力・学習能力・空間認知をつかさどる重要な場所。 加齢によって年1〜2%ずつ縮小しますが、ランニングによってこの萎縮を逆転させることが可能です。
アメリカ・イリノイ大学の研究では、週3回・1回40分のウォーキングやランニングを6ヶ月続けたグループで、海馬の体積が約2%増加したと報告されています。 これは「脳が2年分若返る」効果に相当します。
▶ ポイント: 走る → 脳血流が増える → 神経細胞の新生が促進 → 記憶力・集中力アップ。
2. 神経栄養因子(BDNF)の増加|脳が“育つ”スイッチが入る
ランニングをすると、脳内でBDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor:脳由来神経栄養因子)という物質が増えます。 これは「脳の肥料」と呼ばれ、神経細胞の成長・連結・修復を助ける働きを持ちます。
BDNFが増えることで、シナプスの伝達効率が高まり、情報処理スピードや思考力が向上します。 また、ストレスで傷ついた神経を修復する働きもあり、メンタル面の回復にも関与しています。
研究によると、ランニングなどの有酸素運動を週3回以上続けた人は、BDNFが非運動群より平均で約2倍に増加していました。
▶ ポイント: 走るたびに「脳の再構築プログラム」が動き出す。
3. 脳の血流と酸素供給が向上|思考がクリアになる
走ることで心拍数が上がると、全身の血液循環が促進されます。 このとき、脳にも大量の酸素と栄養(ブドウ糖)が届けられ、脳のパフォーマンスが一時的に最大化されます。
特に前頭前野(思考・判断・感情コントロールを司る部位)への血流が増えることで、 集中力・判断力・計画力が高まることが分かっています。 これが「ランニング後に頭が冴える」理由です。
一方で、軽いジョギングやスローペースでも十分に効果があり、 “走る強度”より“継続”が脳への影響を大きくするといわれています。
4. 幸福ホルモンの分泌|メンタルが安定する理由
ランニング中に分泌されるホルモンの代表が、セロトニン・エンドルフィン・ドーパミンの3つです。
- セロトニン:精神の安定・睡眠リズム調整
- エンドルフィン:高揚感・痛みの軽減(ランナーズハイの正体)
- ドーパミン:やる気・集中力の向上
これらの物質がバランスよく分泌されることで、ストレス耐性が上がり、前向きな思考が続くようになります。 つまり、走ることは“脳内のホルモンバランスを整える自然療法”なのです。
5. 脳神経ネットワークの再構築|「考え方」そのものが変わる
継続的なランニングは、脳のネットワーク再構築(ニューロプラスティシティ)を促進します。 これは、脳が経験や刺激によって構造を変える能力のこと。 運動習慣のある人ほど、神経回路が柔軟で創造的思考がしやすいことが確認されています。
つまり、「走る」ことで脳の構造自体が変化し、ストレスへの適応力・学習効率・思考の柔軟性が高まるのです。
6. 睡眠の質が向上し、記憶が定着する
ランニングによって深部体温が上がり、その後の体温低下が自然な眠気を促します。 結果として睡眠の質が向上
この睡眠の改善も、脳の回復・成長を支える重要なプロセスです。
まとめ:ランニングは“脳の筋トレ”
ランニングは単なる運動ではなく、脳を鍛え、神経を成長させる行為です。 その効果は次の通りです:
- 海馬が成長し、記憶力・集中力が向上
- BDNF増加で神経が再生・修復
- 脳血流が改善し、思考がクリアに
- セロトニン・エンドルフィンでメンタル安定
- 神経ネットワークの再構築で脳が柔軟に進化
まさに、「走ること=脳をアップデートすること」。 週2〜3回、30分でも構いません。 続けることで、あなたの脳は確実に変わり始めます。
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執筆:健康運動指導士 中村優介(おにマス∞)


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