輻輳(寄り目)ができない人の特徴と改善法|健康運動指導士が教えるビジョントレーニング
「寄り目ができない」「近くを見続けると目が疲れる」——それは輻輳(ふくそう)機能が低下しているサインかもしれません。
この機能は、目の筋肉と脳の協調がうまく働いていない状態で、集中力や姿勢、学習効率にも影響します。
この記事では、健康運動指導士の立場から、輻輳ができない人の原因と改善方法を科学的に解説します。
1. 輻輳(ふくそう)とは?
輻輳とは、両目を内側に寄せて近くのものにピントを合わせる動きのことです。
本を読んだり、スマートフォンを見たりするときには、自然とこの動作が起きています。
このとき、目の内側の筋肉(内直筋)が左右で協調して働き、焦点を一致させます。
2. 輻輳がうまくできない原因
1 外眼筋の筋力・協調性の低下
長時間のスマホやパソコン作業により、目のピントを調節する筋肉が疲労し、寄り目動作がスムーズにできなくなります。
特に「片目だけが寄る」「片方の目が遅れる」といった症状は、外眼筋のバランスの崩れが原因です。
2 脳の視覚情報処理の不一致
輻輳は単なる筋肉運動ではなく、脳(視覚野・前頭葉)の協調が必要です。
視覚情報を統合する力が低下すると、両目で同じ位置を見ることが難しくなります。
これにより「ぼやける」「ダブって見える」「目が疲れる」などの症状が起こります。
3 姿勢や体幹の不安定さ
意外に思われますが、輻輳のしづらさは姿勢の崩れとも関係しています。
猫背や首の前傾により、目と頭の位置関係がずれると、焦点を合わせる神経系統に負担がかかります。
3. 輻輳障害がもたらす影響
- 近くを見ると疲れやすい
- 本を読むと行がずれる・内容が頭に入らない
- 集中力が続かない
- 姿勢が前のめりになる
- 頭痛や肩こりが起きやすい
- スポーツで動くものを正確に捉えにくい
つまり、輻輳が弱いと「見る」だけで体に余分なストレスがかかります。
特に子どもやデスクワーカーでは、集中力低下の隠れた原因となることがあります。
4. 改善のためのビジョントレーニング
① ペン先寄り目トレーニング(ペンシルプッシュアップ)
1. ペン先や指先に小さなマークを付け、腕を伸ばした位置で見ます。
2. ゆっくりと顔の前(10cm程度)まで近づけ、両目で一点を見続けるようにします。
3. ぼやけたら一度遠くを見て、再び繰り返します。
1日1〜2分で十分です。
② 交互焦点トレーニング(近点・遠点調整)
近く(指先)と遠く(壁や景色)を交互に見る練習を行います。
ピント調整と輻輳の連動を回復させることで、視覚の安定性が高まります。
③ 眼球ストレッチ
上下・左右・斜めに目を動かし、外眼筋の柔軟性を高めます。
血流改善により、目の疲れやすさも軽減します。
④ 姿勢リセット
顎を引いて背筋を伸ばし、頭を真っすぐに保ちます。
首の前傾姿勢を改善することで、目と体の位置関係が整い、輻輳がスムーズになります。
5. 改善の目安とトレーニング頻度
効果は2〜4週間程度の継続で実感できるケースが多いです。
重要なのは「無理をせず、短時間でも毎日続けること」。
目の筋肉は小さいため、強い刺激よりも習慣化が大切です。
6. 健康運動指導士からのアドバイス
ビジョントレーニングは、スポーツ選手だけでなく全ての人に必要な「脳と体をつなぐトレーニング」です。
特に輻輳が弱い人は、目の疲労や姿勢不良、集中力の低下に悩まされやすい傾向があります。
日々の生活の中で“見る力のトレーニング”を取り入れることで、動作も思考も安定します。
7. 動画で学ぶビジョントレーニング
実際の寄り目トレーニングや目の動かし方は、YouTubeチャンネル「おにマス∞」で詳しく紹介しています。
▶ おにマス∞チャンネルでトレーニングを見る
筆者プロフィール
健康運動指導士 中村優介
福岡市・糸島市で健康づくり教室やパーソナルトレーニングを実施。
目と体の協調を高める「ビジョン×バランス」トレーニングを指導し、子どもから高齢者まで幅広くサポートしている。


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