脳の健康を守る「歩数」ガイド:最適ゾーンは“量×質”
結論:脳のためのウォーキングは、1日7,000〜10,000歩が目安。そのうち速歩(やや息が弾む)を20〜30分/日、あるいは中強度150分/週を確保すると効果的。忙しい日は5,000歩+速歩10分でもOK。
速歩の目安は100歩/分(会話はできるが歌は無理、くらい)。
なぜ歩数が脳に効くのか
- 血流アップ:前頭葉・海馬への血流が増え、記憶や実行機能をサポート。
- 炎症と代謝:慢性炎症やインスリン抵抗性の改善が、認知症リスク低下に寄与。
- 脳可塑性:有酸素運動でBDNFなどの神経栄養因子が増え、学習・記憶を後押し。
- 睡眠質向上:深睡眠が整い、脳の老廃物クリアランスが進む。
年代別の“ちょうどいい”歩数
- 20–39歳:8,000–10,000歩/日+速歩20–30分
- 40–64歳:7,000–9,000歩/日+速歩20–30分
- 65歳以上:6,000–8,000歩/日+速歩10–20分(体調に合わせて)
個人差があります。既往症がある方は主治医に相談のうえ調整を。
1週間モデル(量×質の両立)
- 月:通勤を2駅手前で下車 → 速歩15分+昼休み10分
- 火:朝10分+夜15分(速歩1分/ゆる歩1分×10)
- 水:会議の合間に立ち歩き5分×3+夜10分
- 木:買い物は遠回りルート(坂道)15分
- 金:エレベーター→階段+速歩10分×2
- 土:公園45分(うち速歩20分)
- 日:軽い散歩30分(リカバリー)
“脳に効く”歩き方のコツ
- 姿勢:目線は遠く、肘を後ろへ引く。
- ケイデンス:速歩は100〜120歩/分を意識。
- 分割OK:3〜5分の速歩を1日数回でも効果あり。
- スパイス:週1回は坂道や階段で刺激を変える。
さらに効かせる“+α”
- 筋トレ:週2回(スクワット・かかと上げ・椅子立ち)
- バランス:片脚立ち30秒×左右2セット
- 二重課題:歩きながらしりとり/暗算(前頭葉の活性+転倒予防)
- 睡眠・食:寝不足はBDNF低下。魚・オリーブ油・ナッツ・野菜多めの地中海食で相乗効果。
つまずき対策(現実解)
- 時間がない:「1分速歩×10本」をスキマに。
- 天候が悪い:モール歩き/駅構内/自宅その場足踏み。
- 続かない:週平均で管理(毎日完璧を狙わない)。
- 足が痛い:クッション性の高いシューズ、柔らかい路面、歩幅は少し短く。
目標設定テンプレ
- 現状:平均○○歩/日、速歩○分
- 次の2週間:+1,500歩/日、速歩+5分
- 1か月後:7,500〜8,500歩/日、速歩20分
- トリガー:昼食後3分・夕方5分の「速歩アラーム」設定
脳の健康は、毎日の“少し速く歩く”の積み重ねで守れます。完璧より継続。まずは今日の+1,500歩から。
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