寝溜めは意味がある?健康運動指導士が教える「体が本当に休まる睡眠の科学」
「平日は忙しくて寝不足だけど、週末にたくさん寝れば大丈夫!」 ――そう思っている人は多いですよね。
でも本当に「寝溜め」で疲れはリセットされるのでしょうか? 健康運動指導士の立場から、科学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。
1. 寝溜めで“眠気”は取れるが、“体のダメージ”は取れない
結論から言うと、寝溜めには一時的な回復効果はあるが、完全なリセットはできません。
アメリカ・コロラド大学の研究によると、平日5時間睡眠を続けた人が週末に10時間寝ても、 体内時計のリズムは乱れたままで、代謝機能や血糖コントロールは回復しないことがわかっています。 つまり「眠気」は取れても、「体の中」は疲れたままなのです。
▶ ポイント: 寝溜め=一時的な眠気リセット。 しかし「細胞レベルの回復」までは行かない。
2. 平日睡眠不足が続くと、脳とホルモンが乱れる
睡眠不足が続くと、脳の前頭前野(判断・集中・意思決定)が働きにくくなり、 集中力・記憶力・感情コントロールが低下します。
また、ホルモンバランスも崩れ、
- 食欲ホルモン「グレリン」が増える(食べすぎやすい)
- 満腹ホルモン「レプチン」が減る
- 筋肉の修復に必要な成長ホルモンの分泌が減少
といった悪循環が起こります。
これは週末にたくさん寝ても、完全には戻らないことが研究で示されています。
▶ ポイント: 「平日の寝不足」は“週末に取り返せない”脳とホルモンの乱れを生む。
3. 寝溜めによる“時差ボケ効果”に注意
寝溜めをすると、体内時計がズレてしまい、 月曜の朝にだるく感じる「社会的時差ボケ(Social Jet Lag)」が起こりやすくなります。
これは夜型と朝型のリズムが入れ替わることで、 平日→休日→平日とリズムを戻すたびに、体が時差ボケを起こす現象です。
この状態では、
- 月曜の朝に頭が働かない
- 胃腸の動きが鈍い
- 気分の落ち込み(軽い抑うつ)
などが出やすく、実は健康を崩す原因になります。
4. 理想は「+1時間以内の寝溜め」
では寝溜めは完全にダメなのか?というと、そうではありません。 科学的にみると、「普段より1時間程度多く寝る」くらいが最も効果的です。
この範囲なら体内時計への影響が少なく、 翌日の集中力・免疫機能・疲労回復をサポートできます。
▶ 例:
平日:23時就寝 → 6時起床(7時間睡眠)
休日:23時就寝 → 7時起床(8時間睡眠)
このくらいなら、体にとって自然な“調整睡眠”になります。
5. 寝溜めより効果的な「昼寝」と「早寝」
週末に一気に寝るよりも、次の2つの方が健康への効果は高いです。
- 昼寝(パワーナップ):15〜20分の昼寝で集中力が回復。NASAの研究では作業効率が34%アップ。
- 早寝:寝る時間を1時間早めるだけで、成長ホルモン分泌が増え、免疫力も上がる。
つまり「週末に寝溜める」よりも、「毎日少しずつ早く寝る+短い昼寝を取り入れる」方が、 疲労回復・ダイエット・メンタル安定すべてに効果的です。
6. 健康運動指導士のアドバイス:睡眠も“トレーニング”の一部
睡眠は筋トレや栄養と同じく、「習慣化」が何より大事です。 週末にまとめて寝るより、毎日リズムを一定にする方が、体も脳も効率的に回復します。
実際に指導現場でも、毎晩6.5〜7.5時間の規則正しい睡眠を取る方が、疲労感や筋肉痛の回復スピードが早い傾向があります。
▶ 最適なリズム:
・平日も休日も「起きる時間」を揃える
・昼寝は20分以内
・カフェインは就寝6時間前まで
まとめ:寝溜めは“部分的リカバリー”と考える
| 項目 | 効果 |
|---|---|
| 眠気の解消 | ◎ 即効性あり |
| 脳・ホルモンバランス | △ 部分的に回復 |
| 代謝・免疫・筋肉修復 | × ほぼ回復しない |
| 体内時計への影響 | △ ズレやすい |
寝溜めは完全な回復法ではなく、“応急処置”に近いものです。 本当の疲労回復には「毎日のリズムの安定」が欠かせません。
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執筆:健康運動指導士 中村優介(おにマス∞)


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