サウナの「ととのう」はなぜ起こるのか|自律神経・ホルモン・脳科学から徹底解説
サウナ後に感じる深いリラックス、頭の冴え、幸福感。この状態は一般に「ととのう」と呼ばれています。本記事では、この現象がなぜ起こるのかを、自律神経、ホルモン、脳の働きなど科学的な観点からわかりやすく説明します。
サウナで身体に起きる基本的な変
サウナに入ると体温が上がり、血管が広がります。心拍数は通常の安静時の2倍近くに上がり、体は熱を逃がそうと働きます。この段階では「交感神経」が強く働き、身体は活動モードに入ります。
・体温上昇
・血管拡張
・心拍数上昇
・交感神経の活性化
ここが「ととのう」の準備段階です。
水風呂で起きる急激な反応
次に水風呂に入ると、体は反対方向へ急激に反応します。冷水に触れた瞬間、皮膚の血管は一気に縮み、交感神経がさらに強く働きます。
・血管収縮
・心拍数の再上昇
・交感神経のさらなる刺激
しかし冷たさに身体が慣れてくると、逆に深い安定感が生まれます。ここから「ととのう」へのスイッチが入り始めます。
外気浴で起きる転換|交感神経から副交感神経へ
水風呂から出てベンチや椅子に座ると、身体は温度差のストレスから解放され、強く働いていた交感神経が一気に弱まります。それと同時に「副交感神経」が優位になり、深いリラックス状態に入ります。
この状態が「ととのう」の中心部分で、次のような変化が起きています。
・呼吸が深くゆっくりになる
・心拍数が安定する
・脳がリラックスモードに切り替わる
・身体中にじんわりと血液が戻り始める
これにより、身体と心の緊張が同時に解けていきます。
「ととのう」で分泌される代表的なホルモンと脳内物質
サウナ→水風呂→外気浴の流れは、複数のホルモンや脳内物質を刺激します。これが心地よさや幸福感につながります。
1. エンドルフィン
幸福感を強く感じさせる物質で、脳内麻薬とも呼ばれます。サウナのストレス刺激→水風呂の急冷刺激により分泌が高まり、「多幸感」につながります。
2. ノルアドレナリン
集中力や覚醒を高める物質です。サウナと水風呂で分泌が高まり、頭が冴える感覚が生まれます。
3. ドーパミン
やる気・快感をもたらす物質。温度差の刺激により分泌が高まり、気分が前向きになります。
4. セロトニン
心を安定させる物質。外気浴のリラックス状態で分泌が増え、落ち着きと安心感が生まれます。
これらが同時に変化するからこそ、「ととのう」という独特の状態が生まれます。
脳科学で見る「ととのう」状態
サウナ後の外気浴では、脳波にも変化が現れます。
・緊張時に出るβ波が減少
・リラックス時に出るα波が増加
・深い休息状態で見られるθ波が増えることもある
この脳波の変化こそ、瞑想に近い「意識はあるが非常に落ち着いた状態」で、サウナ愛好家がいう“ととのい”と一致します。
血流と酸素量の変化も大きく影響する
サウナ・水風呂を繰り返すと、血管が「広がる→縮む」を高速で繰り返すため、全身の血流が大きく改善します。
・細胞への酸素供給が増える
・疲労物質が流れやすくなる
・脳への酸素供給も増える
このため、サウナ後は頭がクリアになり、身体が軽く感じられます。
まとめ|サウナで「ととのう」仕組みは科学的に説明できる
サウナの「ととのう」は、単なる気分ではありません。次の科学的変化が同時に起きることで発生します。
・自律神経の切り替え(交感→副交感)
・ホルモンの分泌変化(エンドルフィン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)
・脳波の変化(α波・θ波の上昇)
・血流と酸素供給の改善
これらが重なることで、深いリラックスとクリアな意識が同時に訪れる特有の状態が生まれます。
サウナは精神面だけでなく、身体の回復や睡眠の質向上にも役立つため、健康づくりにも効果的です。
この記事が、サウナをより安全に楽しむための参考になれば幸いです。


コメント