フィジカルトレーニングとマラソンランナーの密接な関係と重要性【保存版】

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フィジカルトレーニングとマラソンランナーの密接な関係と重要性【保存版】

マラソンの記録向上や長期的な健康的ランニングの実現には、走るだけでは不十分です。実は、筋力・可動性・安定性を高めるフィジカルトレーニングを計画的に取り入れることで、ランニングエコノミーの改善・怪我の予防・終盤の失速抑制といった恩恵が得られます。本記事では、健康運動指導士の視点から、エビデンスに基づく効果、具体的メニュー、時期別の組み立て方を解説します。
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なぜランナーにフィジカルトレーニングが必須なのか

  • ランニングエコノミー改善:同じ速度でも酸素消費が少なくなり、終盤の燃費が良くなる。
  • 怪我予防:膝・足首・股関節周りの安定性が増し、ランナー膝・シンスプリント・足底筋膜炎等の発症リスクを低減。
  • 最高速度・ペース耐性UP:スピード持久力(閾値走やマラソンペース走)の質が向上。
  • 姿勢保持能力:体幹とヒップの持久筋力でフォームを末端まで維持し、ブレによるロスを抑える。

ポイント:特に中臀筋・大臀筋・ハムストリングス・腓腹筋/ヒラメ筋・体幹はランナーの「出力」と「安定」を両立する最重要部位です。


主なトレーニング様式と効果

様式内容期待効果頻度/目安
重めのレジスタンススクワット、デッドリフト、ヒップスラスト等(RPE7〜9)最大筋力↑、ブレない接地、登りでの推進力週1〜2回、各種目3〜5セット×4〜6回
中強度レジスタンスランジ、ステップアップ、レッグプレス(RPE6〜8)反復可能な出力、左右差の解消週1〜2回、8〜12回×3セット
プライオメトリクスボックスジャンプ、ホッピング、スキッピング接地時間短縮、伸張反射の活用=エコノミー改善週1回、合計40〜80接地
体幹・安定化プランク、サイドプランク、デッドバグ、ヒップエアプレーン骨盤/体幹の安定、怪我予防週2〜3回、10〜30秒×3〜4セット
可動性/モビリティ足関節背屈、股関節伸展・外旋、胸椎回旋のドリル可動域確保→効率的フォーム、痛み対策毎日5〜10分

シーズンの中でどう組み込む?(時期別ガイド)

① 基礎期(レースの12〜8週前)

  • 目的:筋力基盤づくり/弱点修正
  • 推奨:重めの全身複合種目体幹+モビリティ
  • 頻度:週2回(ランは有酸素中心、ポイント1回)

② 鍛錬期(8〜4週前)

  • 目的:レース特異性(スピード持久)×筋力の維持
  • 推奨:中強度レジスタンスプライオ(跳ね感づくり)
  • 頻度:週1〜2回(閾値・マラソンペース走を優先)

③ 仕上げ/テーパー(3〜0週前)

  • 目的:疲労抜き+エコノミー維持
  • 推奨:高重量は原則やめる/神経活性の軽いプライオ・体幹のみ
  • 頻度:週1回・合計量を50〜70%まで減らす

具体メニュー(セット数・回数・RPE付き)

全身ベース(週2日・基礎期の例)

  1. バックスクワット:4セット×5回(RPE8)休憩2〜3分
  2. ヒップスラスト:4×6(RPE8)
  3. ブルガリアンスクワット:3×8/脚(RPE7)
  4. カーフレイズ(立ち):3×12(テンポ2-1-2)
  5. プランク+サイドプランク:各30秒×3
  6. 足関節・股関節モビリティ:5分

スピード持久向け(週1日・鍛錬期の例)

  1. ステップアップ(高め台):3×8/脚(RPE7)
  2. ルーマニアンデッドリフト:3×6(RPE7〜8)
  3. ボックスジャンプ:5×5(合計25接地)
  4. デッドバグ+ヒップエアプレーン:各8回×2
  5. 足首背屈・ハム/臀ストレッチ:5分

フォームのコツ:「膝が内に入らない」「脊柱は中立」「足裏3点(親指球・小指球・踵)で圧を感じる」。


ラン×筋トレの週間スケジュール例

サブ4〜サブ5を狙う一般ランナー(週5〜6回)

  • 月:休養 or 体幹+モビリティ(10分)
  • 火:インターバル or 閾値走
  • 水:筋トレA(全身)+ジョグ30分
  • 木:ジョグ45〜60分
  • 金:筋トレB(片脚強化+体幹)
  • 土:マラソンペース走(中〜長)
  • 日:ロング走(イージー)

注意:強度の高い筋トレ日は、翌日をポイントランにしないか、ボリュームを落とす。

サブ3.5〜サブ3を目指す中上級者(週7回前後)

  • 月:回復ジョグ+モビリティ
  • 火:閾値/マラソンペースブロック
  • 水:中強度筋トレ(下半身2〜3種+体幹)
  • 木:ジョグ+流し
  • 金:可変ペース走 or 丘リピート
  • 土:軽いプライオ+ドリル(接地感覚)
  • 日:ロング走(後半ビルド)

やりがちなNGと回避策

  • 重い筋トレをテーパー期に続ける:疲労が抜けず本番失速→3週前から漸減
  • 上半身ゼロ:姿勢保持と腕振りが弱くなる→ローイング/プッシュ系を各1種目
  • 片脚安定を軽視:左右差が膝痛を誘発→ランジ/ステップアップを週1で継続
  • ドリル不足:接地が長く推進力が逃げる→流し・スキッピング・Aドリルを習慣化。

ウォームアップ&クールダウンの黄金パターン(10分)

走る前(5〜7分)

  1. 足首・股関節モビリティ(各30秒)
  2. レッグスイング(前後/左右 各10回)
  3. スキッピング or 流し(60m×2〜3)

走った後(3〜5分)

  1. ふくらはぎ・ハム・臀を静的ストレッチ(各30〜45秒)
  2. 呼吸整え(鼻吸気→長めの口呼気)

想定される質問を使ってみた

Q1:脚が重くなるのが不安。筋トレは記録に悪影響?
A:高重量を高頻度で行いすぎなければ、ランの質はむしろ上がるケースが多数。時期とボリューム管理が鍵。

Q2:週1回だけでも効果はありますか?
A:あります。特に片脚系+体幹の優先度が高い。週1で十分な選手も多いです。

Q3:ジムに行けない場合は?
A:自重+ダンベルでもOK。ステップアップ、スプリットスクワット、カーフ、プランク系で構成可能。


チェックリスト(今日から始める簡単3ステップ)

  1. 弱点の自覚:片脚立ち30秒×左右、シングルスクワット10回のフォームを撮影して確認。
  2. 週1〜2回の固定枠:カレンダーに筋トレ枠を固定し、ランのポイント日前後は重ねない
  3. モニタリング:接地時間・心拍・主観RPEを記録し、2〜3週ごとに微調整。

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まとめ

フィジカルトレーニングは、マラソンの「最後の数%」を押し上げるだけでなく、怪我を遠ざけて走り続けるための保険でもあります。時期に応じた種目選択・ボリューム調整・片脚安定と体幹の徹底により、走力は安定的に伸びます。今日から、あなたの練習に計画的なフィジカルを加えて、自己ベストと生涯ランニングを両立させましょう。

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執筆:健康運動指導士 中村優介|マラソン×フィジカルの二刀流で、完走と記録更新をサポート

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