EPOC(過剰酸素消費)とは?
EPOC(Excess Post-Exercise Oxygen Consumption:過剰酸素消費)は、運動を終えた後も体内で酸素消費量が高い状態が続き、安静時よりも多くのエネルギーを消費し続ける現象です。別名「アフターバーン効果」とも呼ばれます。
EPOCのメカニズム
- エネルギー補充:運動中に使われたATP・クレアチンリン酸の再合成
- 乳酸処理:筋肉内にたまった乳酸の分解・除去
- ホルモンバランスの回復:カテコラミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)や成長ホルモンの分泌調整
- 体温調節:運動で上がった体温を下げるためのエネルギー消費
EPOCがもたらす効果
- 基礎代謝アップ:運動後24〜48時間、通常よりも100〜150kcal/日ほど消費が増加
- 脂肪燃焼促進:アフターバーン効果で有酸素運動以上の脂肪燃焼
- 筋修復・成長サポート:筋ダメージの回復過程でタンパク質合成が活性化
EPOCを最大化する運動メソッド
1. HIIT(高強度インターバルトレーニング)

20秒全力→10秒休憩×8セット(タバタ式)が代表例。
全力運動による急激な心拍上昇と回復を繰り返すことで、運動後も酸素需要が高い状態を維持します。
2. 高重量ウェイトトレーニング
スクワット・デッドリフト・ベンチプレスなどの多関節種目を
5~8回×3~5セット行う。大きな筋損傷を与えることで、修復に多くの酸素を必要とします。
3. サーキットトレーニング
複数種目を休憩少なめで連続して行う(例:スクワット→腕立て→ジャンプ×各30秒、1分休憩×3周)。
有酸素と無酸素を組み合わせることで、心肺・筋力の両面を刺激します。
EPOC効果の目安(体重70kgの場合)
- 運動中消費エネルギー:200~300kcal/20分
- 運動後EPOC消費:100~150kcal(24~48時間)
- トータル消費:300~450kcal
実践例
- 朝(10分)
・バーピー 30秒 → プランク 30秒 → マウンテンクライマー 30秒 → 休憩30秒 × 2セット - 夜(10分)
・ジャンプスクワット 30秒 → 腕立て 30秒 → スプリントその場足踏み 30秒 → 休憩30秒 × 2セット
▶ 運動中:約260~320kcal、運動後EPOCで+200~260kcal、合計約460~580kcal消費が見込めます。
注意点
- フォームを崩さない:膝・腰への負担軽減
- 頻度は週3回程度:過剰トレーニングを避ける
- 栄養補給・睡眠管理:EPOC効果を最大化するために重要
まとめ
EPOCは「運動後も燃え続ける」ダイエット・体力づくりの強力な武器です。
HIIT・高重量トレーニング・サーキットを組み合わせ、朝夜に分割して実施することで、
効率的に基礎代謝を高めましょう。
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