【健康運動指導士が解説】高齢者に必要な「バランストレーニング」と「動体視力トレーニング」の関係とは?
こんにちは。「健康運動指導士 中村優介」です。
今回は高齢者の健康づくりに欠かせない「バランス能力」と「動体視力」の関係について解説します。
転倒予防、脳の若返り、そして自立した生活を続けるために、この2つの能力は密接に関係しています。
バランス能力と動体視力の関係
人が立ったり歩いたりする時、実は「視覚」「前庭感覚(耳)」「体性感覚(筋肉・関節)」の3つが協力しています。
特に視覚=目から入る情報は、姿勢の安定に大きく関わっています。
動体視力とは、「動いているものを目で正確に捉える力」。
この力が落ちると、段差や障害物に気づくのが遅れたり、バランスを崩した時のリカバリーが遅れるという問題が起こります。
つまり、視覚情報の遅れが転倒リスクを高めるのです。
加齢による変化:バランスと視覚はセットで衰える
高齢になると、以下のような変化が同時に起こります。
- 動体視力の低下(視覚処理速度の遅れ)
- 反応時間の延長(転倒時に体が間に合わない)
- 体幹・下肢筋力の低下(支えきれない)
- 平衡感覚の低下(耳・神経の感度が鈍る)
そのため、単に筋トレをするだけではなく、目と体を同時に使うトレーニングが効果的です。
これが「動体視力×バランストレーニング」の発想です。
動体視力を鍛える簡単トレーニング例
自宅でもできる簡単な動体視力トレーニングを紹介します。
- ペン追視トレーニング
ペンや指を左右・上下・斜めにゆっくり動かし、目だけで追う練習。頭は動かさないのがポイント。 - ボールキャッチ
柔らかいボールを壁に投げてキャッチ。目で追いながら体で反応する動作は、脳と身体の協調性を高めます。 - 視覚反応ステップ
前に並べたマーカー(または床に貼った紙)を、誰かに「赤!青!」とランダムに指示してもらい、即座に足を出すトレーニング。
→ 視覚刺激と下肢反応を同時に鍛えます。
バランストレーニングと組み合わせるとさらに効果的
動体視力トレーニングは、片足立ちや体幹運動と組み合わせると相乗効果を発揮します。
- 片足立ち中に、動くボールや手の動きを目で追う
- 不安定な面(バランスディスクやクッション)でペン追視
- 左右ステップをしながら目標物(数字カードなど)を認識する
このように、目と体を連動させる運動は脳の活性化にもつながり、
最新の研究では認知症予防にも効果があると報告されています。
科学的根拠:視覚刺激×運動は脳を若返らせる
筑波大学や早稲田大学の研究によると、「視覚刺激と運動を同時に行う」ことで、
前頭前野(判断・注意・集中をつかさどる領域)の血流が大きく増えることが確認されています。
つまり、バランスや動体視力を鍛えることは「脳トレ」にもなるのです。
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まとめ:目と体を同時に鍛える時代へ
高齢者の転倒予防や脳の健康維持には、「見る力(動体視力)」と「支える力(バランス能力)」を同時に鍛えることが重要です。
どちらか一方ではなく、連動して働かせることで効果が最大化します。
「見て、反応して、動く」——これを意識するだけで、身体も脳も若返ります。
ぜひ、毎日の生活の中に動体視力とバランストレーニングを取り入れてみてください。
健康運動指導士 中村優介(おにマス∞)
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