寝ても疲れが取れない原因|睡眠時間だけでは回復しない7つの理由

健康

「昨日はしっかり寝たはずなのに、朝から身体が重い」

「休日に長く寝ても、疲れが抜けた感じがしない」

このような状態が続くと、もっと早く寝る、休日に寝だめをするなど、睡眠時間を増やすことだけに意識が向きやすくなります。

もちろん、必要な睡眠時間を確保することは重要です。しかし、疲労感には睡眠時間だけでなく、睡眠の質、生活リズム、日中の活動量、嗜好品、寝室環境、睡眠障害などが関係します。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、良い睡眠には、睡眠の量だけでなく、朝起きたときに休養が取れたと感じる「睡眠休養感」が重要だとされています。

この記事では、寝ても疲れが取れないときに考えられる7つの理由と、今日からできる見直し方を、健康運動指導士の立場から解説します。

寝ても疲れが取れないのは、睡眠時間だけの問題ではない

同じ7時間眠っても、翌朝すっきり起きられる日と、身体が重い日があります。

これは、睡眠時間が同じでも、途中で何度も目が覚めている、体内時計がずれている、日中の活動量が少ない、寝る前まで脳が興奮しているなど、睡眠の中身が異なるためです。

大切なのは、「何時間寝たか」だけで判断しないことです。

  • 朝起きたときに休養が取れた感覚があるか
  • 日中に強い眠気がないか
  • 夜中に何度も目が覚めていないか
  • 仕事や家事に集中できているか
  • 休日だけ起床時刻が大きく遅れていないか

このような点も含めて確認すると、疲れが残る原因を見つけやすくなります。

寝ても疲れが取れない7つの理由

1.実際には必要な睡眠時間が足りていない

最初に確認したいのは、やはり睡眠時間です。

布団に入っている時間が7時間でも、すぐに眠れるとは限りません。寝つくまでに30分かかり、夜中に何度か目が覚めていれば、実際に眠っている時間は短くなります。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人は個人差を踏まえながら、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。ただし、6時間眠れば全員に十分という意味ではありません。

朝に休養感がなく、休日に長時間眠らないと生活できない場合は、平日の睡眠時間が不足している可能性があります。

見直し方:まず1週間、就床時刻、起床時刻、夜中に目が覚めた回数、朝の疲労感を記録してみましょう。

2.起床時刻が不規則で体内時計がずれている

睡眠は、夜だけで決まるものではありません。

朝の光、食事、日中の活動などによって体内時計が調整され、夜になると自然な眠気が生まれます。

平日は朝7時に起きているのに、休日は昼近くまで寝ている。そのような生活では、週末ごとに体内時計がずれ、月曜日の朝に時差ボケのようなだるさが出ることがあります。

休日の寝だめだけで、平日の睡眠不足を完全に解消することはできません。長く眠る必要がある場合は、平日の睡眠が不足しているサインとして考える必要があります。

見直し方:寝る時刻を完璧に固定するより、まず起きる時刻の差を小さくします。起床後はカーテンを開け、日中は明るい環境で過ごしましょう。

3.日中の活動量が少ない

疲れていると、できるだけ動かずに休もうと考えます。強い疲労や体調不良があるときには休養が必要ですが、日中の活動量が少なすぎる状態が続くと、夜の眠りに影響することがあります。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、適度な運動習慣は良質な睡眠の確保に役立つとされています。ウォーキングなどの有酸素運動や、無理のない筋力トレーニングは、寝つきや睡眠の質を整える助けになります。

運動する時間を取れない方も、通勤、買い物、掃除、階段の利用などで日中の身体活動を増やせます。

見直し方:最初から毎日30分運動する必要はありません。まずは昼間に5〜10分歩く、座り続ける時間を減らすところから始めましょう。

4.カフェイン・アルコール・ニコチンが睡眠を妨げている

コーヒーやエナジードリンクで日中の眠気を抑えていると、夕方以降もカフェインの影響が残る場合があります。

カフェインの代謝には個人差があり、夕方以降の摂取は、寝つきの悪化、中途覚醒、深い睡眠の減少につながる可能性があります。

また、アルコールは一時的に寝つきをよくすることがありますが、睡眠後半の質を低下させやすく、夜中に目が覚める原因になります。寝酒を睡眠対策にすることはおすすめできません。

ニコチンにも覚醒作用があるため、紙巻きたばこや加熱式たばこを含め、睡眠への影響に注意が必要です。

見直し方:夕方以降のカフェインを控え、寝酒をやめてみます。カフェインに敏感な方は、昼過ぎから麦茶やノンカフェイン飲料へ替えてください。

5.寝る直前まで明るい画面を見ている

スマートフォンやタブレットを寝床まで持ち込み、眠くなるまで動画やSNSを見る習慣は、睡眠を妨げる可能性があります。

画面の光だけでなく、次々に情報を確認することで脳が覚醒し、寝る時刻が遅くなることも問題です。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、起床後から日中はできるだけ明るい光を浴び、就寝前はブルーライトを含む明るい光を避けることが、良い睡眠につながるとされています。

見直し方:就寝前の30分だけでも、スマートフォンを寝床から離します。照明を少し暗くし、読書、軽いストレッチ、翌日の準備などに切り替えましょう。

6.寝室環境やストレスで眠りが浅くなっている

寝室が明るい、外の音が入る、暑すぎる、寒すぎるといった環境は、途中で目が覚める原因になります。

本人は眠っていたと思っていても、騒音や光によって睡眠が細かく分断され、朝に休養感が残らないことがあります。

また、仕事や人間関係のストレスが強いと、布団に入ってからも考え事が止まらず、身体は横になっていても脳が休みにくくなります。「早く寝なければ」と焦るほど、緊張が高まる場合もあります。

見直し方:遮光カーテン、耳栓、空調、寝具を確認します。眠気がないのに早く布団へ入るのではなく、照明を落として落ち着く時間をつくり、眠気が来てから寝床へ入りましょう。

7.睡眠障害や身体の病気が隠れている

生活習慣を見直しても疲れが取れない場合、睡眠時無呼吸、不眠症、むずむず脚症候群などの睡眠障害が関係している可能性があります。

特に、睡眠時無呼吸では、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることで、本人が気づかないまま何度も覚醒します。長く寝ても深い睡眠が減り、日中の眠気や疲労感が残ることがあります。

また、疲労感は睡眠だけでなく、貧血、甲状腺機能の異常、感染症、心身の不調など、さまざまな原因で起こります。自己判断で睡眠の問題と決めつけないことも大切です。

見直し方:大きないびき、睡眠中の呼吸停止、朝の頭痛、強い日中の眠気、集中力の低下などがある場合は、医療機関へ相談してください。

寝ても疲れが取れないときに、今日から確認する5項目

  1. 平日と休日の起床時刻が大きくずれていないか
  2. 夕方以降にコーヒーやエナジードリンクを飲んでいないか
  3. 日中に5〜10分でも身体を動かしているか
  4. 寝床へスマートフォンを持ち込んでいないか
  5. 大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されていないか

一度にすべてを変えようとすると続きません。まず一つ選び、1週間試して、朝の疲労感がどう変わるかを記録してください。

「たくさん寝る」より、朝・昼・夜の流れを整える

睡眠を改善しようとすると、夜に何をするかだけを考えがちです。

しかし、夜の眠りは、朝から始まっています。

  • できる範囲で同じ時刻に起きる
  • カーテンを開け、明るい光を取り入れる
  • 朝食を取り、生活のリズムをつくる

  • 歩行や家事などで身体を動かす
  • 長時間座りっぱなしにならないようにする
  • カフェインを取る時間と量を見直す

  • 寝酒を避ける
  • 照明とスマートフォンの光を抑える
  • 眠気が来てから寝床へ入る

睡眠だけを単独で改善するのではなく、24時間の生活リズムを整えることが重要です。

医療機関への相談を考えたいサイン

次のような状態が続く場合は、生活習慣の見直しだけで様子を見続けず、医療機関へ相談しましょう。

  • 大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された
  • 運転中や仕事中に眠り込みそうになる
  • 十分な睡眠機会を取っても強い眠気や疲労感が続く
  • 不眠や途中で目が覚める状態が続き、日常生活に支障がある
  • 朝の頭痛、動悸、息苦しさなどを伴う
  • 気分の落ち込みや意欲低下が続いている

この記事は一般的な健康情報であり、病気の診断や治療に代わるものではありません。

さらに詳しい見直し方を知りたい方へ

睡眠時間だけでなく、朝の過ごし方、日中の活動、夜の習慣まで具体的に見直したい方に向けて、noteで詳しく解説しています。

「寝ても疲れが取れない人の特徴7つ|睡眠時間だけでは回復しない理由と、今日からできる見直し方」をnoteで読む

まとめ

寝ても疲れが取れない原因は、一つとは限りません。

  1. 必要な睡眠時間が足りていない
  2. 起床時刻が不規則で体内時計がずれている
  3. 日中の活動量が少ない
  4. カフェイン、アルコール、ニコチンの影響がある
  5. 寝る直前まで明るい画面を見ている
  6. 寝室環境やストレスで眠りが浅い
  7. 睡眠障害や身体の病気が隠れている

まずは睡眠時間だけでなく、朝起きたときの休養感と、朝から夜までの生活全体を振り返ってみてください。

すべてを一度に変える必要はありません。起床時刻をそろえる、昼間に5分歩く、夕方以降のカフェインを控えるなど、実行しやすい一つから始めましょう。


この記事を書いた人

健康運動指導士 中村優介
福岡を拠点に、健康教室、福岡マラソン完走チャレンジ、競技選手のフィジカル指導などに携わっています。「疲れず、老けず、動ける身体」をテーマに、科学的根拠と10年の指導経験から発信しています。

参考資料

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