マシントレでも筋肥大はできる?健康運動指導士が科学的に解説

筋トレ

マシントレでも筋肥大はできる?健康運動指導士が科学的に解説

筋トレというと「バーベルやダンベルのフリーウェイトが本物」「マシンは効かない」という考え方がよくあります。これは正しくありません。結論として、マシントレーニングでも十分に筋肥大は可能です。ただし、目的と使い方を間違えると刺激が足りず、成長しにくいというだけです。本記事では、なぜマシンでも筋肉は大きくなるのか、その条件と使い方を整理します。

筋肥大はどうやって起こるのか

筋肉が大きくなる条件はおおきく3つあります。

1. 強い張力(筋肉にしっかり重さがかかること)
2. 代謝ストレス(パンプ、乳酸がたまる感じ)
3. 微細な損傷(使い切ることで回復時に太くなる)

この3つがそろえば、フリーウェイトでもマシンでも筋肥大は起こります。実際に「負荷強度」「総ボリューム(合計の仕事量)」「限界近くまで追い込むこと」が同じなら、マシンでもフリーウェイトでも筋肥大効果に大きな差はないと報告されています(Schoenfeld BJ, J Strength Cond Res, 2016)。

マシンの強み

フォームが安定して安全性が高い
支えがあるので、姿勢がブレにくい。ケガのリスクが低い。

ねらった筋肉に集中できる
チェストプレスなら胸、レッグプレスなら脚、というように負荷を集中的に入れられる。

疲れてもフォームが崩れにくい
高回数・多セットをこなしても危険になりにくい。これにより総ボリュームを稼ぎやすいという利点がある。

例えばレッグプレス140kgで10回×20セットなどの高ボリュームは、フリーウェイトのスクワットより安全に実行しやすい。これは筋内の代謝ストレス(パンプ)を強く生み、筋肥大の材料になる刺激です。

マシンの弱点

体幹や安定筋がほとんど使われない
バーベルスクワットは脚だけでなく体幹・背中も総動員しますが、レッグプレスは下半身が主役で上半身の関与が少ない。全身の総合力は上がりにくい。

軌道が固定される
バーをコントロールする必要がない分、「重さを安定させる神経の発達」は得にくい。

日常動作やスポーツ動作への転用が弱い
現実の動きは不安定で複雑ですが、マシンは一定の角度とルートでしか押せない。これは「使える強さ」を育てるという点では不利になることがある。

マシンで筋肥大を最大化するコツ

1. 限界近くまで追い込む
軽く感じる重さでも、限界の1~2回手前までしっかり行えば、筋繊維は十分刺激される。これが不足すると「なんとなく効いてる気がするけど大きくならない」になりやすい。

2. セット数を多めにする
マシンは安全なので10セット以上の高ボリュームでも続けやすい。これはパンプと代謝ストレスを強く作る。結果として筋肥大の材料になる。

3. テンポ管理をする
2秒で押して3秒で戻すなど、動作をゆっくりコントロールする。これで筋肉にかかる張力が抜けにくくなる。

4. 可動域を十分使う
雑に半分だけ動かすと負荷が逃げる。特にレッグプレスやチェストプレスでは、動く範囲の下側(伸ばされる側)まで使うと刺激が深くなる。ただし関節に痛みが出る角度までは入れない。

マシンとフリーウェイトはどのように組み合わせるべきか

最も効率が良いのは、「重いフリーウェイト+高ボリュームのマシン」という二段構成です。

脚トレの例:

1. スクワット(高重量・5~8回)で全身の出力と神経系に強い刺激を入れる。
2. レッグプレス(中重量・10~15回)で脚の筋肉に集中的な張力とボリュームを与える。
3. レッグエクステンション/レッグカール(15~20回)で仕上げとして個別筋を燃やし切る。

この順番にすることで、「全身としての強さ」と「見た目の太さ」の両方を伸ばせます。現場では最も再現性の高いメニューです。

誰がマシン主体でトレーニングすべきか

中高年・関節に不安がある人
マシンの方がフォームが安定しやすく、腰・膝に無理なひねりが入りにくい。特にひざ痛・腰痛持ちの人はマシン主体の下半身トレーニングの方が継続しやすい。

初心者
フリーウェイトは正しいフォームを覚えるまでに時間がかかる。まずターゲット筋を意識して使えるようにする段階では、マシンの方が効率が良い。

高ボリュームで追い込みたい中級者~上級者
スクワットやベンチプレスを高重量でやったあとに、そのまま同じ部位をさらに追い込みたい場合、マシンが安全な「追撃用」として機能する。

まとめ

マシンは「効かない」のではなく、「目的に対してどう使うか」がすべてです。マシントレーニングだけでも筋肥大は起こります。重要なのは、限界近くまでしっかり追い込むこと、十分なセット数をこなすこと、動作を管理することです。一方で、全身の総合的な強さや現実の動きの力を育てたい場合は、フリーウェイトとの併用が最も合理的です。

健康運動指導士の立場から言うと、マシンは特に中高年やケガ明けの人にとって安全で続けやすい手段です。無理な姿勢でのバーベルよりもはるかに長く続けられる場合が多いので、現実の現場ではマシンは「弱いもの」ではなく「継続させるための主力」として使われています。

監修:健康運動指導士 中村優介(おにマス∞)
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@onimasuch
記事作成日:2025年10月29日

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